「こんな俺たちだから」裏話
はっきり言って、大したことは何もないんだけど……くだらない話だよ。
一番初めはね、「GUYS」ってタイトルで、メインキャラが啓祐と陽一と美里と早紀だったんだ。これは、高校一年の夏に作った。
でも、悪友のF田が「なんか男臭そうなタイトル」と言ったのをきっかけに、タイトルは「こんな俺たちだから」になった。
タイトルが変わって、登場人物も増えた。それが、タク、翔、ラン、ジョニーの四人。実はこの四人は、気付く人は気付くかも知れないけど、T.C.R.横浜銀蠅R.S.のメンバーから名前をもらってね。この当時、何故かハマっていたんだ。
しかしその時の話自体、あまりおもしろくないんで、キャラクター構成から練り直した。で、次はこの銀蠅カルテットは、啓祐たちの出身校・仏が丘中学の隣の中学校出身で考えた。
こんな風にいろいろ考えているうちに、「啓祐たちの将来は?」などと考え出しちゃって。普通、学園モノっていったら、卒業でエンディングじゃない。俺は、それがなんだか「いかにも」って感じがして嫌だったんだよ。卒業しても、まだ続けたいって言うか……。学園モノだけど、あくまでそれは始まりがそれであって、最後までそれでいる必要があるわけじゃないとか、思い始めてさ。
それで例のF田に何気に聞いてみたら、「ロッカー」という意見が出た。実はその意見が、俺をバンド野郎にしたんだ、実体験を得るために。ところがF田は「キミ、何でバンド始めたの?」と訊く始末。お前が原因だと言ったら、全然覚えていないと言い切りやがった。
んで、それが高校の時のことで……丁度受験シーズンで、親に隠れながら小説を書いてたんだけど。それでも何の間違いか大学に入ってしまい(受験で三日前にやった問題が出ちゃって万歳)、それを機に某大学某バンド系部活へ入部して、俺は初めてバンドという形で音楽を体験することになるわけだ。音の大きさや迫力、そして何よりも魅力は、体験しなくては分からないものだった。
この小説でやたらバンドの話が出てくるのは、単に俺が音楽好きだからである。と言っても別に音楽の話を書こうというわけではない。でも何と言うか、そうせずにはいられなくて。陽一や美里にスポットライトを当てれば、音楽の色は薄まるだろう。最近は、激メインのはずの陽一と美里の影が薄い。
サザンのメンバーも出す予定。と言うか、既に出ている。ベースの関口和之さんとパーカッションの野沢"毛ガニ"秀行さんだ。ちなみに関口さんは『龍ちゃん』よりも龍ちゃんの親父さんで出しているつもりだ。結局二人とも関口という姓だけど。まだ何話か分からない話の二番目の『再会の夏』では、後輩にドラムの松田弘さんを出している。残る桑田佳祐さん原由子さん大森隆志さんも、いずれ何らかの形で出そうと思っている。
まぁ結局小説と言っても俺の足りない頭から絞り出した知識や経験を元に書くわけだから、結局大した話は作れないかも知れないけど、ひょっとするとものすげー話を作るかも知れない。俺はその可能性にかけたいと思う。
いずれ、キャラクターの原画なども表示させようじゃないの。
『夏騒動』は、昔ボツにしたり保留にしたりした話を一つにして、出来たものだ。千夏がやってくるという話も、そもそも普通の女の子に憧れるアイドルの話(サブタイトルが確か『あの娘とスキャンダル』だったような)が元である。この時は啓祐の家に来るのではなく、『杉良太』という啓祐の同級生がいて、芸能生活から逃げてきたアイドル『滝井千夏』が彼の家にかくまってもらうという話だった。でも何となく俗っぽい話だとか、そんな理由でボツにした。でも、ボツにしたはしたけど、嫌いな話じゃなかった。そこで、今度はちょっと路線を変えて、啓祐に双子の妹がいて、その妹が戻ってきたら、という話を作ってみた。その際、「例えばこの双子の妹ってのがランだったら」とか冗談で考えていたら、実は意外と面白いのではないかと思ってきた。そこで双子の妹はラン、その妹に千夏がいるという設定に変えた。まぁこの話はボツにしたわけではない。今回リニューアルという形だ。だけど、リニューアルの際に他のボツになった話とくっつけてしまったわけだ。
啓祐と早紀が殺人鬼に追われる話も昔あった(タイトルが『悪魔の鬼ごっこ』とか、そんなヤツ)。時期は夏ではなく、春先に起こった話だったが、コレもうやむやのうちにボツ。ちなみにこの話でジョニーは逃亡先の土地で出会うにーちゃんだった。宝くじが当たったので、単身バイク旅行をしているという設定。んで、殺人鬼も二人だけだった。
更に、陽一と美里に探偵のようなことをさせたかったので、その話もこの夏騒動に含めてみた。この話は全く作っていなくて、企画のみなので、何とも言えない。
ともかく、夏騒動は俺が書きたかった部分が一番多いので、一番長い。主人公も変わるマルチサイト形式だし。きっと面白くしよう。
続いて、登場人物一人一人の裏話。
南啓祐
主人公という設定は、当初から変わっていない。ただ、最初は凄く平凡な主人公にしようと思った。しかし、将来はロッカーという設定から、音楽をやらざるを得なくなり、その辺りから少しずつ平凡という色が薄くなり出した。ちなみに最初はベースではなくギターだった。主人公がベースっていうのも面白いと思う。主人公がギターとかヴォーカルってのもありきたりだし。
とりあえず主人公だし、最低限好かれる性格でなくてはいけない。もちろん例外もあるが、このような学園モノでは、一般にはそうだ。
喧嘩に関しては、つい最近まで登場人物では最弱だった。喧嘩モノでは、陽一とジョニー中心にしようと考えたからだ。しかし、ギターやベースなどをやっている人に、手を痛めるから喧嘩は不向きである。そこで、啓祐は喧嘩経験が豊富でも、結局喧嘩が出来ない状態なので、これでもアリだと思い、今のような状態になった。但し、一つだけ言えるのは、それでも悲しいことに啓祐が最弱だということだ。
家庭環境に関しては、実は双子の妹と母親に関する話のためにこうなった。父親が再婚と言うことも考え、義理の兄がいた時期もあったが、結局再婚はナシで、父子家庭に落ち着いた。そっちの方が面白いからである。
花形陽一
陽一は、基本的に余り変わっていない。ただ、当初は『熱くなりやすい』という性格だったが、今では冷静で、すっかり『縁の下の力持ち』という立場になっている。
部活動に関しては、初めは中学では陸上部だった。しかし、抜群の運動神経をより目立たせるために、団体競技のバレー部所属という事にした。それに、陸上部などにいた場合、県大会やら全国大会やら、その辺のエピソードも出てしまい、そうなると俺自身詳しく知らないので、『運動神経が良くても、成績が残らない』団体競技の方が都合がいいのだ、あしからず。
小野寺美里
美里は、一番初めでは、今のような雰囲気ではなかった。しかし、キャラが早紀とかぶっていたために、美里の性格を今のような幼さ残ったものにした。しかし、啓祐の幼馴染みとしては、性格まで子供っぽくては駄目なのだ。陽一同様、父子家庭の啓祐を影で支えられる性格であった方がいい。そこで性格は実は芯の強い性格にした。そして、同時に親友の早紀も支えている。
また、名前は俺の幼馴染みから頂いた。ただ、実在する『美里ちゃん』のことは、今は知らない。俺が三、四歳の頃に引っ越ししたので。街で擦れ違っても、絶対に気付かないだろう。ただ、どこから情報を仕入れてくるのか、お袋の話では、看護系の専門学校に進んだとか。
原田早紀
実は一番最初は、社長令嬢だったんだ……今じゃ想像つかないけど。深窓の令嬢といった感じはまるでなく、性格などは今と変わらず。その他変わったところと言えば、啓祐同様楽器を弾き始めたことくらいである。尤も、最初はキーボードだったが。んで、ギターにした直後は、右利きで普通の右ギター。でもインパクトがほしくて左ギターに。
一番髪の毛のバリエーションが多いキャラクターなので、描いていて結構飽きなかったりもする。基本は何もしないロングヘアだけど、ライブではポニーテール。ポニーテールって、なんか俺的にロックンロールな感じするからね。
ジョニー(一条新也)
こいつはやたらと変わっている。変わっていないのは本名と通称だけ。というのは、初めは一番影が薄かったせいだろうか?大体一番初めは、ジョニーは『みんなで海に行った時に会う、その土地のにーちゃん』という設定で、髪型もリーゼント。後に仏が丘高校に引っ越してくる予定だった。その時の性格はやたら硬派であったが、その話をボツにし、ジョニーは啓祐の隣の中学校出身という設定にし、容姿も今の通りにしてからは、ジョニーの性格はナンパになってしまった。ただ、その原因として恋人が死亡したので、その想いを忘れるためにナンパな性格に・・・と考えていた。その時のエピソードで『NO-ONE BUT YOU』に似た話を考えた。しかし、最近のジョニーはナンパな色が薄い。俺が意識してそうしているわけではないので、もっとナンパな部分を出さないとまずい。
結局今は、中学は啓祐たちと同じで、ドラムを叩き(バンドの話が出た時はベース)、だいぶメインのキャラになっている。影が薄いキャラだと、いくらでも変更する気になれるのが不思議だ。
ラン(嵐舞)
銀蠅のラン、ということで、登場したのが嵐舞。『夏騒動』以降、名字が「南」になるので、翔子という名前も考えたが、結局最初から使っているこれに落ち着いた。ランは元々容姿端麗で頭の良い不良少女という設定だったので、今のところはほとんど変化ナシ。ただ、啓祐と双子になる前は、確かヤクザ屋さんの一人娘とかそういう設定があった。
啓祐と双子とうい設定を作ったのは、実は単純に思い付き。ふと、「……主人公の啓祐とランが兄妹だったら、どうなのかな?」などと考えたことがきっかけ。つまりは冗談半分の思い付きだった。ところが考えているうちにこの設定にハマり、で、マジで兄妹にしてしまった。
名前は、単に音読みで『ランブ(乱舞)』になるから、舞にした。以前は、何となく香奈美にしていた。
ランは書いてて面白いキャラクターの一人。やっぱりこのアンバランスさがいいのかな?
タク(浜崎拓哉)
不良少女(ラン)に惹かれる男の子・・・という形で登場したタクだが、その案はボツ。今はそんな設定はどこにもなく、タク自身が残った。初めは性格は引っ込み思案というだけだったが、今はそれの色を少し薄くして、ポーカーフェイスという性格を加えた。最近、酒乱という性格も加えることに。そして、バンドの話が出た当初は、タクがドラムを担当していた。
で、喧嘩についてだけど、まぁこれもアンバランスさが面白そうでこういう設定にしちまった。ポーカーフェイスの平然とした顔で、鉄パイプで人を殴る……うーん、アブナイ人だな。暴走族の頭という設定が暫くあったけど、流石にやりすぎかな、と。今は暴走族って設定はないよ。
奥田翔
翔もほとんど変わっていない。変わったのは髪型だけだ。昔はボサボサだったが、今では坊主頭。女の子と目を見て話せないというのは、例のF田の性格です。但し、彼の名誉のために言っておくが、今は普通に話せるようだ。……つまらん。
タクとは対照的な、インパクトのある巨漢、と思って、容姿はすぐに決まってしまった。
柔道をさせたのは、単純にその体格があるからって理由かな。相撲って考えはなかった、「柔道、だな」と。
横須賀麗子
彼女は、ランと一番親しい女友達という形で出てきたキャラクターだ。だから彼女も単純に、ランとは正反対なキャラにした。そしてもう一つ、啓祐にラブコメをさせる目的もある。
容姿のモデルはない。名前は、昔中学の時に少しだけ通っていた塾に、『横須賀』という名前の女の子がいたので、何となく、それを思い出して付けました。地名を名字にするのもいいかな、と思ったりして。『麗子』に至っては、令嬢なので『レイコ』かな、と。でも『令子』じゃ余りにもストレートすぎるので、『麗子』に。
ただ、メンバー中一番おとなしい正確なので、なかなか動いてくれない……。描きやすいキャラクターじゃないよ。でも、令嬢は登場させたい気持ちがある。そのせいかなー、初期の早紀が令嬢だったのって。最終テーマは駆け落ちで決まりか!?(笑)
滝井千夏
上記で少し触れたけど、初めっからランの妹という設定はなかった。眼鏡をかけているのは、俺が眼鏡っ子を描きたかったからではなく、単純に有名人が有名人と思われない手段の一つとして取り入れただけ。
顔のパーツはランとほとんど同じ。姉妹だしね。違うのは髪型くらいかも??
意識しているつもりはないけど、どうもおとなしい印象の女の子に仕上がっちゃった。啓祐とランの妹なのに……。
Aloha UDDS
まだ小説で出てきてないけど、啓祐たちのバンドの最終的な名前。実は俺が以前にこの名前でバンドを組んでいた……。名前の由来はアロハシャツとウッドベース。結局ライブ(?)は二回だけしたけど。みんなしてアロハシャツ着てました。本当はベースにウッドベースを弾かせる予定だったけど、結局二回ともエレキベースだった……。ウッドの練習場所と運送手段がなかったので、仕方なかった。
最終的に、早紀がギター(左ギター)、啓祐がベース(ウッドベース)、ジョニーがドラム(立ちドラム)。と、気付く人は気付く、はっきり言ってストレイキャッツなんです……(左ギターじゃないけど)。何度か、「これじゃストレイのパクリじゃん」とは思ってみたものの、どのパート見ても面白いんだよね。でも、これで早紀が右ギターだったら、なんか早紀だけ普通で浮いてしまう、そう思った結果左ギターになってました。ちなみにストレイキャッツのドラム(スリム・ジム・ファントム)は立ちドラムの更に左利きですばい。
ま、こういうバンド構成で、啓祐と早紀どちらもメインボーカルだから、そこは新境地かな、と。きっとデュエット曲多くなるんだろうな……。
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